「通訳ガイド 受験レポート」vol.10 奈良スタディ・ツアー後編

前回の興福寺に続いて東大寺、春日大社へ向かいました。

東大寺は言うまでもなく奈良平城京の仏教信仰の聖地。聖武天皇ゆかりで彼が指示して作らせた大仏は大変有名ですね。

興福寺から奈良公園を抜けていきまくと東大寺の参道へ。南大門が見えてきます。南大門には鎌倉時代の仏師運慶が手がけた2体の金剛力士像が配置されています。右に吽形像、左に阿形像。これは通常の配置とは違うみたいです。どういう意味があるのでしょうか。。。

南大門を抜けるといよいよ大仏殿が見えてきます。現在の大仏殿は鎌倉時代、江戸時代に再建されたもの。正面の幅57.5m、奥行き50.5m、棟までの高さ49.1m。数字以上に圧倒的なスケールでした。これでも幅は創建当時の3分の2しかないとのこと。驚きです。

大仏殿にはもちろん大仏が安置されています。こちらも上半身の多くが江戸時代に修繕されたものということで今の時代でも大変綺麗なお顔を拝むことができます。実は初めて見たのですが、スケール感が違います。今まで見てきた仏像はどれも大きくて5メートルほどの高さのものでしたが、この像は15m。これまでの3倍ほどの大きさです。

本当に最初「当時の技術でどうやってこの像を造ったのか?」と疑ってしまうほど大きく、しかし細部もこだわっており大味ではありません。当時この大仏にのべ260万人が工事に関わったそうですが、実物を見てもやはりスケールが大きすぎて全く想像もつかないですね。

東大寺といえばこの大仏が有名ですが他にも見どころが多くあります。大仏殿から足を伸ばして斜面を登ると二月堂が見えてきます。その名の由来となる「お水取り」で有名ですが、この二月堂は景色が大変綺麗なのがおすすめです。まさに奈良盆地を一望できます。

そしてすぐ横の法華堂へ。この場所は「本尊不空羂索観音菩薩」などの仏像が安置されています。この仏堂、実は東大寺のなかで、唯一奈良時代以降一度も戦火にあっておらず、奈良時代の姿をそのまま残しているんです。

この本尊を聖武天皇や孝謙天皇などが参拝してきたとかんがえると感慨深いものがあります。特にこの不空羂索観音菩薩は合唱している両手の間に水晶を挟んでいたり、頭部に大変複雑な形の宝冠をかぶっていたりと大変見どころの多いです。しかし、なんといっても奈良時代からの姿をそのまま残しているのには大変感動しました。

奈良の観光地といえば奈良時代を連想させるものが圧倒的に多いのですが、興福寺、東大寺はほとんどが鎌倉時代に一度再建された影響で、建築や仏像が鎌倉文化の影響を強く受けています。実際に現地で色々な仏像をみてみると奈良時代のものと鎌倉時代のものは圧倒的に違います。そのなかで当時の姿をそのまま残している法華堂は、この奈良で本当に出会いたかった場所とも言えるかもしれません。

その後一度山を降りて大仏殿の西側へ足を運びました。境内はかなり広いのでいろいろ参拝する場合はロードマップを事前に作成することをおすすめします。いや本当に。。。

その後は転害門、戒壇堂を回りました。転害門は東大寺の南大門から見て反対側にある門ですね。たしかに位置的にも興福寺や春日大社からのエリアからもたいへん離れています。この門も奈良時代の建築様式である伽藍建築の様式が残っているんですね。実はあとから調べて知ったことで見たその時はあまり感動はありませんでした。。。伽藍建築が未だにイメージできません。。。

戒壇堂は個人的にかなりおすすめです。内部には塑造四天王立像が安置されています。この四天王、本当にかっこいいです!仏像フィギュアのブランドであるリボルテック・タケヤで最初に発売された四天王はこの立ち姿や持ちものそのまんまでした。道具の持ち方やその仕草一つ一つがかっこいいんですよね。

奈良時代や飛鳥時代の四天王像は寸胴で足が短いイメージで、一方鎌倉時代の仏像は筋肉の隆起を感じるような仏像が多くありました。興福寺の阿修羅像のような全体のバランスとかポーズ自体のかっこよさを秘めた仏像はこの四天王像が個人的には一番でした。今回は時間の都合上国宝を数多く展示してある東大寺ミュージアムに行けなかったことが残念でしたが、東大寺はかなり広く見どころがたくさんありました。

東大寺をあとにして若草山を登り、春日大社へと足を運びました。これまでとは雰囲気が一転、山の中に入っていきます。まるでもののけ姫の世界観のような神秘的な雰囲気を感じました。南門までくると総本山にふさわしい朱色の立派な建築が見えてきます。これまでの建築様式とは打って変わって仏教とはまた違った神道の世界です。拝観当日は20年に一度の御本殿特別公開ということで本殿を参拝しました。撮影禁止だったのでお見せできないのが大変残念。。。

以上で1日かけて奈良観光をしてきたわけですが、今回特に感じたのは外国人観光客の多さでした。私達は豪族、天皇、当時の歴史背景など、奈良を観光地として鑑賞するための知識を十分に身につけているため、ただ見るだけではなく、当時の人々に思いを馳せながら楽しんで観光出来ましたが、それがわからなければ大変損をしている状況と言えるかもしれません。現在通訳案内士を目指していますが、各国の言語で説明するおもてなしの必要性とその難しさを両方感じた旅でした。

TEMPLE WEB編集部
京都の英会話・TOEICサークル「TEMPLE」にご興味を持っていただきどうもありがとうございます。これからもみなさんに楽しい&ためになる情報を発信できるよう努めてまいります。