「通訳ガイド試験 受験レポート」vol.18 〜Toji-Temple〜

(前編)

今回訪れたのは東寺(教王護国寺)です。

東寺は平安時代に中国で真言密教を学んだ空海ゆかりのお寺で、五重塔が有名ですよね。

空海にゆかりの深いお寺ですが、このお寺を建立したのは平安京遷都を行った桓武天皇です。平安京に遷都した際、桓武天皇は鎮護国家のため平安京の南端、羅生門の近くに平安京の中央を走る朱雀通りをはさんで2つのお寺を建立しました。それが東寺と西寺でした。

つまり朱雀通りより東のお寺だったから「東寺」という名前になったわけです。東寺は創立当初から場所は変わっていません。こういった背景を知らないと地図を見てもどうしてこのお寺の名前が「東」寺なのかイメージできないですよね。東寺は多くの天災や戦火に見舞われ、境内が焼けるなど多くの困難を経験しています。その際に消失、損傷した建造物の多くが桃山、江戸時代に修復、再建されたことで今の美しい姿をとどめています。

東寺までのアクセスは京都駅から徒歩で15分、あるいは近鉄東寺駅から徒歩10分です。京都駅から歩く場合は京都駅八条口を出て八条通りを西へ、その後堀川通を南に進んで東寺道を右折します。東寺道に入れば慶賀門が見えるので5分ほど歩けば到着です。近鉄東寺駅からの場合は九条通りを西に歩けば境内が見えてくるので大宮通を左折すると慶賀門です。

東寺境内の九条通り側には立派な南大門があります。建立当時はこちらが正門でした。この門は慶長6年(1601)に三十三間堂の西門として建てられたものを移築したものとされています。南大門から入れば、正面に金堂、右手に五重塔が見え、南大門のまえから金堂を眺める建物の雰囲気に圧倒されます。奈良の東大寺や南禅寺の山門を思いだしました。京都の街中とは思えないような光景です。こちらから入ると拝観入り口までは遠回りになってしまいますが、こちらから入って、創建当時参拝した人に思いをはせるのもよいのではないでしょうか。

慶賀門から入り、内部を拝観します。門を入ってすぐのところは駐車場となっており、乗用車や観光バスがたくさん停車しています。門をくぐるとすぐ左に校倉造の宝蔵が見え、石畳が正面に向かって続いています。次の日が境内で弘法市が開かれる日だったこともあり、風が強い日でしたが屋台の準備をしている人が多くいました。しばらく進むと道は分岐し、正面に進むと宝物館や大日堂、大子堂、毘沙門堂があり、左に進むと拝観入り口があります。

金堂、講堂、五重塔を見るためには拝観料を支払う必要があります。拝観料を支払い東寺境内へ進みます。拝観料は大人500円、高校生が400円、中学生以下が300円です。 拝観料を支払うと講堂へ進みます。この講堂は重要文化財に指定されており、内部には大日如来を中心に5智如来5菩薩、5大明王、四天王、梵天、帝釈天の計21体の仏像が配置されています。これらの仏像の配置は立体曼荼羅といわれています。

曼荼羅とは密教の教えをわかりやすくしたもので、胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅という2つの曼荼羅があり、それぞれ理と智慧という教えを伝えています。それらをより立体的にわかりやすく伝えるために空海弘法大師が立体曼荼羅を考えたとされています。

正直言うと、曼荼羅についてはよく知らなかったのですがこれほど立派な仏像群を京都市街地のど真ん中で見ることができるということに大変驚きました。奈良に行ったときは、興福寺の東金堂の薬師如来を見たり、東大寺では大仏を見た後も各御堂をまわって仏像鑑賞をたのしみましたが、それらと全く引けをとらないようなスケールでした。

講堂の後ろには金堂が隣接しています。金堂は国宝に指定されており、内部には本尊の薬師如来像を中心に日光菩薩、月光菩薩が安置されており、本尊の台座には十二神将像が配置されています。この様式は奈良時代のものと言われています。これらは慶長8年(1603年)に仏師康正によってつくられたものです。いずれも重要文化財に指定されています。こちらも大変立派です。

拝観入り口から講堂、金堂にかけては左手に瓢箪池と「不二桜」という立派な枝垂桜が植えてあります。庭園には桜がたくさん植えてあり、これからの季節には境内で桜を楽しめて夜桜のライトアップなどの行事もあり多くの観光客が訪れます。不二桜は13メートル、樹齢120年にもなる桜の木で、名前の由来は弘法大師の不二の教えからとられています。

平成18年に三重県から移植されました。数多く桜が植えている庭園の中でも大きな存在感があります。まだ訪れたときには桜はまだ咲いていませんでしたが3月末から4月上旬にかけて見頃を迎えます。

後編では五重塔、そして大師堂や現在公開中の宝物館を紹介します。

TEMPLE WEB編集部
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